リハビリテーションアプローチからセラピスト教育、研究活動まで日々の活動をアウトプットしています。文献紹介などの客観的な情報から主観的な考えまで幅広く記載しているつもりですので、あくまでも批判的にご活用ください。
2013年9月14日土曜日
脳はやっぱり一部しか使われていない?
今日、Twitterで他の方がつぶやいてくれていたのですが、最近の研究で脳はやはり一部しか使われていないようなのです。ちなみに@yuji_ikegayaさんという方が教えてくれました。
昔は脳は10%くらいしか実は日常で使っていないという話がありましたが、連合野の活動の証明によって、それは間違いであり、脳に使われていないところはないことが証明されてきました。
しかし、今週の『Cell Reports』誌によると全ての神経活動は実はそのうちの10%ほどの神経細胞でしか起こっておらず、他の神経細胞は休んでいるというのです。
http://www.cell.com/cell-reports/abstract/S2211-1247(13)00401-4
私もTwitterで得た情報をもとに書いており、Summary以外の本文をまだ読めていないので、背景は分かりませんが、それが本当だとしたら興味深いです。
ここから個人的な考えです。
この事実をもって、残りの90%を活動させると頭が良くなると言えるでしょうか?
そうではないでしょう。脳がフルに活動してしまえば相当疲れます。脳が適度にさぼってくれていることによって我々の活動が成り立っていると思います。
以前に脳トレブームで、ある計算課題をすると前頭葉が活動するから脳にいいということが流行ったことがあります。脳が活動すればいいのでしょうか? また、あることをすれば神経のシナプス結合が盛んになるという報告もあります。
確かに脳が機能不全を起こしている障害モデルでは活動させることは治療につながります。しかし、健常モデルでは活動をあげることが大事なのではなく、活動しなくても課題が出来るようになることが重要でしょう。脳のシナプス結合も結合ばかりしていると過放電を起こしてしまいます。適度な刈り込みがあるのが正常といわれています。
たとえば、1kgの荷物を持ち上げる時に筋肉がたくさん活動しましたという場合と、あまり活動しなかったけど持ち上げられましたという場合では、活動しないほうが効率がよく身体が疲れないに決まっています。脳でも同じで、あまり活動しないでいろんなことが出来るようになったほうが疲れなくてよいのです。
そんなわけで、健常モデルでは無理に使われていない神経細胞を動員しようとしないで、むしろ使わない細胞が増えていろいろなことが出来るようになれば効率がいいといえるのではないかと思うわけです。
主観ですけどね。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿