リハビリテーションアプローチからセラピスト教育、研究活動まで日々の活動をアウトプットしています。文献紹介などの客観的な情報から主観的な考えまで幅広く記載しているつもりですので、あくまでも批判的にご活用ください。
2014年6月25日水曜日
鍼治療の効果
少し前にスポーツメディスンという雑誌に「理学療法と鍼治療の融合」という特集があって、興味深く読ませてもらいました。
http://www.fujisan.co.jp/product/1281680338/b/1079933/
誤解の無いように言っておくと、理学療法士は鍼治療は出来ません。
しかし、鍼治療を行うポイントを理学療法的に刺激すると症状の改善が得られるようです。
興味があって、Pubmedで鍼治療に関して調べてみると結構RCT(ランダム化比較試験)が多いことに気付きました。しかも、Sham(偽)鍼刺激との比較をしているものが結構あります。
現状でいうと、Sham刺激との差があるという論文もあれば、ないという論文もあります。
中にはプラセボ効果だと結論付けている書籍もあるようですが、Sham刺激も安静条件と比較して鍼治療と同様の効果という論文もあるので、何らかの効果はありそうです。
鍼治療は、身体に備わる自然治癒能力を高めるということで、西洋でも最近注目され始めたそうです。
エビデンスは大事なのでが、エビデンスは無いものに関しては、「現在はない」というように考えるべきです。
研究が進んでいくに従って、エビデンスが出てくるものもあるので、「エビデンスが無いから治療に取り入れない」というのは消極的であるように思います。
その検証作業は臨床家が担っていくべきなので、エビデンスを作るのは対象者を治療する人間ということを忘れてはならない気がします。
※ここでいっているエビデンスとは、EBMの概念図の3つの輪のうちのリサーチエビデンスのことを言っています。
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