リハビリテーションアプローチからセラピスト教育、研究活動まで日々の活動をアウトプットしています。文献紹介などの客観的な情報から主観的な考えまで幅広く記載しているつもりですので、あくまでも批判的にご活用ください。
2014年3月10日月曜日
嚥下における運動学習
私はSTではないので、現在嚥下に対してどのようなアプローチが行われているか熟知している訳ではありませんが、たまたま嚥下と運動学習という興味のあるテーマがリンクしているレビュー論文がありました。
New Directions for Understanding Neural Control in Swallowing: The Potential and Promise of Motor Learning
Dysphagia(2013)28:1-10
http://link.springer.com/article/10.1007/s00455-012-9432-y
当たり前のことかもしれませんが、口腔期と咽頭期はリンクしており、口腔における咀嚼時の情報、感覚入力からのフィードフォワード、フィードバックによって咽頭期の運動が左右されます。咀嚼をした時の固さや口腔内で感じる温度、物性によって嚥下運動を正常な人は変えているのです。それが理学療法士的にいうと、路面によって歩容が変わるのと同じような運動の多様性と柔軟性なのかもしれません。
また、口腔からの情報を入力した場合と、直接咽頭に注入した場合では嚥下動態は異なるそうです。つまり口腔からの情報を受け取って適切な嚥下を惹起しているということになります。
大脳皮質レベルの障害の治療モデルで考えると、口腔内の接触による感覚入力や咀嚼時の顎二腹筋、オトガイ舌筋の活動により大脳皮質レベルでの可塑性を促せるとのことです。
臨床で考えると、単に飲み込みだけの練習をするのではなく、口腔において咀嚼したり、歯を喪失していれば舌で押しつぶすなどの情報を入力することが必要といえるでしょう。もちろん、食塊形成が難しいような方では、押しつぶしてしまっては元もこうもないので、口腔期と咽頭期を分けて考えなければいけないのでしょう。それでもこの論文から勝手に私が考えるには、糸のついたガーゼで包んだグミなどを咀嚼する練習だけでも口腔内の刺激になるのではないかと思いました。
この論文では、特に口腔における感覚・運動の統合が咽頭期の嚥下に重要ということが強調されていました。
無理矢理私の研究に引っ張ってきますが、口腔への感覚入力ということであれば、私の研究している炭酸飲料でも結構な刺激を与えられるのでダメなのでしょうか?
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿