2012年7月17日火曜日

各種テクニック、アプローチについて

本日は理学療法の日です。

理学療法についてというわけではないですが、少し考えていることがあります。
私は大学に勤務していますが、週に1日は臨床で勤務させていただいていまして、現職者の指導なども行っています。もちろん私が教わることも多いのですが...

さて、理学療法士をしばらくやっているとアプローチに関して、何らかの好き嫌いというのが出てくる方も多いかと思います。テクニックと言われるものから考え方(コンセプト)自体というのもあります。認知運動療法の考え方が好き、PNFはあわないなど(例えばの話で、別に悪口を言っているわけではないのであしからず)。

かくいう私も何が合わないなどと言ってしまうと角が立ちますが、合う合わないは何となくあります。今はTask Orientedだったりとか運動学習が介入の考え方の主体になっていますが、昔教え子たちにとある促通コンセプトを批判的に言ってしまったこともあります。
しかし、今思うとそのアプローチの何が気にくわなかったのか、表面的なことしか知らなくて批判していたのではないかと思います。

結局は、本当に批判したいならば、そのテクニックや考え方をとことん学んで、出来るようになった上でやっぱり自分には合わないとか対象者に応用できないなどと言わないとダメでしょう。

ある特定のテクニックに固執すると他が見えなくなりがちです。対象者にとってベストな介入を探すことより、高い講習会費を払ったテクニックで対象者に効果がありそうなものは何かという、テクニックを無理やり適応させることに走りがちです。

経験年数が浅いセラピストは余計に顕著でしょう。

講習会や先輩がファシリテーションすると、今まで全然動けなかった対象者が嘘のように疼痛もなくなって動作が可能になったのを目にすると、そのテクニックが全てを解決してくれるように誤解しがちです。そして適応も見極めないまま、全ての対象者に使用しようとします。
機能にばかり目が行ってしまい、生活を見れなくなっているセラピストを私自身目にしたこともあります。

一つのことを突き詰めることは悪いことではないと思っていますが、他がダメだと言う前に他の考え方をとことん知った上で批判してほしいと思っています。

意外と人との関係も、よく知らないで批判していることが多いんじゃないでしょうか(自分への反省も込めて)。